ご利用者様の声
(フォーグローブ株式会社様) 代表取締役社長 畑野裕亮氏
機能的につながるフラットな関係を築くことで
チームが動きやすい環境を創出。
「社員一人ひとりが経営者意識を持つアメーバ経営」を目指すフォーグローブ株式会社。 人を動かし仕事を動かすリーダー育成のために、上下関係なく、横のつながりを強化するフラットな関係を創り出しています。
【畑野裕亮社長(以下畑野)】
企業様向けのITソリューションを提供しています。ヒアリングによる分析・調査からお客様のビジネス・業務課題を把握し、IT・クリエイティブ領域から事業をサポートさせていただいています。
東京本社をはじめ、大阪と中国に拠点を置き、60名あまりのスタッフがクリエイティブやシステムエンジニア、営業、管理など幅広い専門分野で活躍しています。
当社では、アメーバ経営の一部を取り入れており、チームに分けて業務を行い、各ユニットリーダーが経営者の代わりとなって利益管理を行っています。
※アメーバ経営は京セラ名誉会長の稲盛和夫氏が編み出した経営手法。「会社経営はトップだけではなく全社員が関わるものだ」との考えに基づき、
会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団組織に分け、各リーダーのもと自部門の利益を最大化させることを目標に創意工夫を行い日々の仕事に取り組むこと。
【畑野】 創業して14年余り、経営者として人を導くことの難しさを感じていました。自分自身リーダーとして経験してきた苦労や悩みなどをユニットリーダーに伝えてきたつもりでしたが、一人先走り空回りしていました。 社内で解決することに限界を感じてLife is Loveさんに相談したところ、「長期的視点を持って、人が育つしくみをつくりましょう」と提案があり、2018年に「リーダー自立型プロジェクト」を導入しました。
社歴の浅い社員や、中途採用の社員との意識を合わせる必要性を感じました。リーダーだけではなく、リーダーを支えるサブリーダーのリーダーシップや 上司やチームメンバーに対して主体的に働きかけるフォロワーシップが、組織を動かしていく鍵となるため、社員が育つしくみづくりを提案させていただきました。
【畑野】
ユニットリーダーの横のつながりです。同じ組織・空間で仕事をしていながらも、隣の人や仕事が見えず気持ちのバイアス(偏り)が生じていました。
リーダー会議では、問題の指摘はしても解決方法になると意見が食い違い、建設的な話し合いが行われていませんでした。
リーダーといっても、それぞれ経歴も得意分野も異なり、数字に長けている人もいれば、人を動かすのが得意な人などさまざまです。キャラクターの違いから話し合いのポイントがずれることもありました。
「リーダーの意見が食い違っていれば現場はもっと混乱する」と思い、フラットな関係を作るために、人との違いを理解するマインドの部分からスタートしました。
【畑野】
会社経営の鍵を握る人材育成で、まさかマインドの部分まで入り込むとは思ってもみませんでした。社員たちも「そこまでやるのか?」と感じていたと思います。でも互いの違いを知ることは、お客さまの立場に立って考える心が育つ重要なポイントだと思いました。
私が指摘してスルーされることも、第三者からのアドバイスだと素直に受け止められたようです。
それまでは「リーダーは偉くなくてはいけない」という思い込みからオープンになれなかった人も、お互いを理解することで違いを認め合うベースができました。
それからは積極的にコミュニケーションを取るようになり、少しずつ変化が見られるようになりました。
社員の話し合いの場「社員総会」という仕組みはありましたが、生かし切れていませんでした。そこで、お互いの違いを知り、認め合うというワークを研修に取り入れました。
【畑野】
さらにユニットリーダーの力をつけたいと相談したら、「サブリーダーの底上げが必要では」と提案を受けて、ハッとしました。サブリーダーまで頭が回っていなかったからです。
サブリーダーはユニットリーダーを支える重要な役割を担っているのですが、「サブ」という言葉のイメージから「どうせサブだから」と一歩引いて見ている人もいました。
そこでサブリーダーの役割を明確にする宿泊研修を行いました。研修では経営理念やビジョンなどの基礎や役割を伝えることが目的でしたが、夜の懇親会で思わぬことが起こりました。
ざっくばらんに話せる場だったこともあり、サブリーダーから「会社の役に立っていない」「いなくてもいい存在だ」など本音が飛び出し、感情がぶつかり合いました。
不穏な空気に包まれるかと心配しましたが、翌朝はスッキリ。「これまで口にできなかった悩みや問題を話してもいい、共有してもいい」という見えない絆が生まれたのだと思います。
研修後には「サブリーダーはユニットリーダーと共にチームを創れる楽しい仕事だと思えるようになった」という声も聞かれ、意識がぐっと高まりました。
一部のチームでサブリーダーとユニットリーダーの力が逆転する現象が起きており、信頼関係が築けていない問題が生じていました。 サブリーダーという位置づけはあるものの、役割が明確になっていませんでした。
【畑野】 2019年11月に西日本支社で行ったコミュニケーションセミナーです。今でも話題に上がるほど歴史に残るセミナーです。 当時西日本支社はユニットのひとつでしたが、ユニットリーダーは家賃などの経費も考えながら採算性を高めるという重責を担っていました。 孤軍奮闘で頑張るリーダーの姿を見ていたスタッフたちは、感謝の気持ちを伝えたくても仕事に追われ言葉にする機会がありませんでした。 セミナーを進める中で感謝の気持ちやさまざまな思いが溢れ出し、涙する人もいました。こんな感動的な場面は、第三者の力だからこそ作れたのだと思いました。 このセミナーをきっかけにさらに結束力が強まり成長スピードが加速しました。
【畑野】
昨年12月に幹部を集め、お互いの思いを整理しながら「どういう組織でありたいか」という新しい価値を見いだす合宿を沖縄で行いました。その1カ月後です。
新型コロナウィルスの感染拡大というコントロールができない現象が起こりました。事前に心の準備ができていたため、対応はどこよりも早かったと思います。
資金繰りのため銀行に相談したとき「一時的に解雇するという方法もあります」とアドバイスを受けたのですが、その選択肢は頭にはありませんでした。
幹部メンバーと「今後はテクノロジーが大きく関わってくる。今は厳しいけど未来に備えて、ウイズコロナで何が手伝えるのか考えよう」と話し合いました。
正直厳しい面もありましたが、不安を抱える社員に想いを伝えることで私自身を追い込みました。こうした意思決定のスピード化を図れたのも、コミュニケーションが取りやすく、私の想いをしっかりと伝え、
また皆の意見を聴けるフラットな関係ができていたからだと思っています。リモートワークが当たり前になるこれから、さらに横のつながりやコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。
中国に拠点があるため早く情報が入手できたことも要因のひとつだと思います。 また毎朝、コミュニケーションツールを使って、社長がどんな事を考え行動しているのか社員に伝えていたことも不安の軽減につながり、リモートワークの切り替えもスムーズでした。
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